2022年10月24日から放送が始まった新ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』で、「岸本拓郎」という新米ディレクター役で出演している眞栄田郷敦(まえだごうどん)さん。
エルピスは、深夜の情報番組「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当していたアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)が、ある事件の冤罪疑惑を追う中で、人生を一変させていくストーリー。
ドラマの回を重ねるたびに変わっていく眞栄田郷敦の表情に、SNSでは「岸本の姿が別人級!」「1話から顔が変わりすぎ!」と、ドラマに引き込まれる眞栄田さんの演技力の上手さ、高さに注目が集まっています。
そこで今回はエルピスの岸本拓郎(眞栄田郷敦)の表情を各話ごとにまとめ、比較してみました。
エルピス眞栄田郷敦の演技が上手すぎて別人級⁉
眞栄田郷敦さんは、第1話で深夜の情報番組「フライデーボンボン」の新人ディレクター:岸本拓郎として出演しました。(8話で解雇されディレクターではなくなった。)
初めは脅されて始めた冤罪事件の調査も、今や浅川恵那(長澤まさみ)以上に事件にのめりこみ、多くの衝撃事実を掴むなど、
世間知らずのおぼっちゃんだった岸本拓郎が、何かに突き動かされるように「覚醒」していくさまを眞栄田郷敦が迫真の演技で見せています。
まずは第1話と第8話の岸本拓郎の表情を比べてみました。
私自身、8話を見た後に1話を見てみたんですが、8話までに冤罪事件についての闇が少しずつ明かされたことで、個々のキャラクターも変化していますが、岸本拓郎の変化は顕著。
1話の時とはまるで違うドラマのようになっているのに、ここに至るまでの描写が丁寧で、過程に違和感がないので、実際に比較してみてこんなに大きな変化があったことに驚きでした。
回ごとの変化が少しずつ、大きな変化に。
別人のような変化を見せている眞栄田郷敦さんの演技と役作りのすごさが伺えますね。
エルピス眞栄田郷敦演じる岸本拓郎の顔、表情の変化全話(1話〜10話)まとめ
第1話「冤罪とバラエティ」
こちらが1話の岸本拓郎(眞栄田郷敦)です。
両親が弁護士という裕福な家庭で育った拓郎は、持ち前のルックスも手伝って、仕事の実力とは裏腹に自己評価が高く、空気の読めない男。
拓朗は、自身がディレクターを務める深夜の情報番組「フライデーボンボン」出演するボンボンガールのあさみ(華村あすか)に好意を寄せている。
しかしボンボンガールは手出し厳禁。
拓郎はそのあさみを口説き、その全会話が録音されていました。
その録音データを元にチェリー(三浦透子)は、拓朗を脅し、ある事件の冤罪の証明を依頼したことから、このドラマの肝となる冤罪事件が動き始めます。
金持ちのボンボン、新人ディレクターという初々しさや、ちょっと間抜けな感じがよく出ている表情です。
第2話「女子アナと死刑囚」
こちらが2話の岸本拓郎(眞栄田郷敦)です。
上司に国家権力を敵に回すということについて言われ怖気づき、冤罪事件から手を引いた岸本。
そしてそれから浅川恵那は拓朗の視線を感じるようになります。
「拓朗の目力は異常に強い…」ということですが、眞栄田郷敦の眼力が本当に強い。
扉越しでも伝わる眼力の強さがすごいです。
拓朗は、国家権力と闘う覚悟はないが、恵那の力になりたい、手伝いたいと言います。
ちょっとまだヘタレ感ありますね。
こうして2人で事件を追うことになり、拓朗も松本死刑囚の犯行当日の行動を再現することになりました。
拓朗もまた検察側と弁護士側の松本死刑囚の行動に矛盾点があることに気づき、冤罪への可能性が高まります。
殺害現場でカメラを回していた時に視線を感じた岸本の表情も、驚きと怯え、ヘタレな感じがよく出ているような印象です。
第3話「披露宴と墓参り」
こちらが3話の岸本拓郎(眞栄田郷敦)です。
事件当時の資料を手に入れ、冤罪の証明に勢いづく岸本拓郎と浅川恵那。
八飛山連続殺人事件の被害者である井川晴美さんの姉、井川純夏(すみか)さんの話を聞き、インタビューVTRを撮る岸本拓郎の表情には、ディレクターとしての成長がうかがえます。
恵那と拓朗がインタビュー映像を編集しているところに、斎藤(鈴木亮平)がやって来たシーンでは、
斎藤と恵那のやり取りをみていた拓朗は思わず路チューの検索をしてしまいます。
冤罪という重たいテーマの中にも、空気の読めない、ちょっと天然な感じの岸本拓郎の表情や姿にクスッと笑えるシーンもありました。
何見てんの?という恵那の問いかけに動揺の顔を見せる岸本、思ったことがつい顔に出てしまう素直な役柄が表れています。
第4話「視聴率と再審請求」
エルピス第4話では、放送が反対されていたインタビューのVTRが、恵那の独断で「フライデーボンボン」で流されました。
4話の岸本拓郎は恵那の奇襲に驚く表情から始まります。
放送には大きな反響があり、2人は次に当時重要な証言があったこと、その矛盾に着目し、冤罪事件の第2回目を放送。
しかし再審請求が正式に棄却されてしまいます。
第4話は岸本拓郎の抱えていたトラウマが明かされた回でもありました。
村井さんに自身の母校である明王学校が見える屋上に連れられた拓郎。
拓朗の同級生カイが自殺したとき、報道をしたのは村井で、「お前はどの立場だったか」と言う村井に、「よく覚えてない」と誤魔化します。
「自分が何に負けてきたのか向き合えよ」と村井に迫られ、拓朗は「僕は裏切った奴です」と泣く。
カイ君がいじめられていたが自分がいじめられるのが怖かった。ママに相談したが、ママは何も言わなかった。
いじめの主犯者が有力者の息子だったから…
拓朗はずっと負け続けていると自分を責めました。
涙と鼻水を垂らしながら後悔する姿は、大きな反響を呼びました。
第5話「流星群とダイアモンド」
親友の自殺に向き合った岸本は徐々に様子が変貌。
自らが「負けてきたもの」なのだと向き合う拓郎は、人が変わったように冷たくて光のない目になりました。
拒食症のようになっている描写もあり、1話の覚醒前の浅川恵那のような衰弱ぶり。
いままでの強烈な眼力から、虚無感漂う冷たく光のない目への変貌に怖ささえ感じます。
表情や立ち居振る舞いの演技もさることながら、目だけでこの違いが出せるのは眞栄田郷敦さんの演技力や役作りの凄さがうかがえます。
そしてここから髭の生えた眞栄田郷敦さんの姿に…
この髭ありの眞栄田郷敦さんの姿には「カッコいい!」「似合う!」という声が多くあがり、話題になりました。
松本死刑囚の再審請求が棄却され、続編の制作が禁じられても、拓郎は単独で取材をし、同窓会に潜入。
ベロベロに酔っ払ったり、ヤンキーに囲まれたりしながらも、見事に証言を得ることに成功しました。
あさみを脅し、台本を書き換え、その証言映像を流そうとする岸本拓郎。
その姿は、ドラマ初めのお金持ちでのほほんとしたボンボンだった拓郎からは、想像できなかった姿です。
目つきも鋭くなり、少し痩せ、顔つきも全然違います。
もう別人のような変貌ですね。
結果的にVTRは放送されずショックを受けた拓郎でしたが、恵那に最強の真実を掴んだのだと激励され、覚醒。
いままでの自分が空腹も睡魔も感じないまま過ごしていたことに気づき、雑炊を食べ、恵那の部屋で爆睡する拓朗の姿にほっと一安心。
第5話では拓郎の覚醒が起こった回でした。
第6話「退職届と異動辞令」
松本死刑囚の逮捕の決め手となった西澤正(世志男)の証言が嘘だったというVTRは、予想以上の大きな反響を集めたことで、事態の収集がつかなくなくなってしまいます。
また西澤が逃亡したことで、冤罪だと証明することがまた難しくなってしまいました。
拓郎は経理部へ異動させられてしまいますが、定時での勤務であることを利用し、さらなる事件調査を始めます。
初めは脅されて自身の保身のために追いかけていた事件も、今や拓郎が率先して行い、あらゆる事実を見つけ事件の真相に迫っています。
1話の覚悟は無いけどお手伝いなら…といっていた、ヘタレの岸本拓郎が嘘のようです。
第7話「さびしい男と忙しい女」
第7話では事件のDNA再鑑定が行われることになり、拓郎のもとには以前全く取り合ってくれなかった、当時の捜査に関わった刑事から電話がかかってきます。
50万円で事件のすべてを話すという彼から、無実である松本を犯人に仕立て上げたという証言を聞くことができました。
「もう誰も信じていない」、刑事の証言を聞きながらもそう発言する拓郎には、
冤罪や国家権力という理不尽と戦ってきたいままでの間に、何も知らない坊っちゃんの時の純粋さは薄れ、人を疑い、人間不信的な思考が見られます。
恵那からの情報をもとに、大門副総理をとりまく周辺情報を調べている拓朗は、いつもの喫茶店で店主に大門について尋ね、
懇意にしているという本城建託についての情報を手に入れます。
その長男がとてつもなく怪しい…本城彰(永山瑛太)というその人物について尋ね、少しずつ拓郎は事件の真相に迫っていきます。
第8話「少女の秘密と刑事の工作」
聞き込みを重ねる拓朗は、八飛山で殺害された被害者:優香が通っていた中学の同級生らから情報を集めます。
警戒される中、野球部の男子から、優香が仲よくしていたのは高岡ひかる(堰沢結愛)だと教えてもらい、またもや重要証言を入手。
それを元に刑事に「事件データの写真を抜いた」と指摘し、50万を渡した時の録音データと交換という取引を持ちかけます。(実際録音なんてしていないのだが…)
ハッタリをかまして刑事と取引する拓郎の成長ぶりに見ていた人も驚いていました。
刑事が去っていった後、緊張の糸が切れる拓郎。
ただこのあと、逆に刑事にこの時の音声を録音され報告されたことで、恐喝したと会社をクビになってしまいます。
まだまだ詰めの甘い拓郎。
コロコロと立場も心境も変わっていく拓郎の姿を、とても上手く表現されている印象の眞栄田郷敦さんです。
第9話「善玉と悪玉」
会社をクビになった拓郎は、引き続き事件を追い続けます。
実家に戻り、母から置いてあげるから綺麗にしてと言われたらしく、髭もそり、清潔感のある顔に戻った拓郎。
服装は前と同じ感じに戻りましたが、表情はやはり最初とは違い色々なことに揉まれたことで、少し頼りがいのある、そして影のある拓郎という表情と出で立ちです。
また9話では大門副総理の娘婿で秘書の大門亨(迫田孝也)が出演。
その大門亨と接触し、告発音声を撮ったり、事件の真相を追っていく拓郎ですが、「信じられるのは真実だけ」と孤立感はどんどん深まっていきます。
い第10話「希望あるいは災い」
大門亨の死から消沈している拓郎。
実家に戻り髭を剃って小綺麗になっていた拓郎は、また髭の生えた姿になっていました。
「自分が引っ張り出した人を死なせました…」
勝てないから…(敵が)強すぎるからやめると言い出します。
しかし、「どうして殺されなきゃいけないのよ!」「まともに生きたいだけじゃん」と、思いをぶつける恵那の言葉に少しずつ目に光が戻っていきます。
大門亨が残した大門副総理のスキャンダルを放送しようとする恵那を心配し、大洋テレビのロビーにいた拓郎。
本城彰のVTRを放送することになりました。
状況についていけない感じと、驚きに満ちた表情。
恵那に頬をつかまれ、そのままビンタされる拓郎…
ドラマ内で話題になっていた目力も戻っています。
放送後、スタジオから逃げてきた恵那に向けられる温かな微笑みもまた、1話の岸本拓郎の姿からの成長を感じました。
親友の自殺と向き合い、負け続けたことに気づいた時、食べられなくなった拓郎。
そして孤独になりながら必至に真実を追っていた頃、空腹であることも忘れていた姿もありました。
そんな拓郎が笑顔で大盛り牛丼を思い切り食べる姿は温かくて、希望に満ち溢れていて。
村井さんに向ける笑顔は、ラストにふさわしい姿でしたね。
エルピス眞栄田郷敦の演技が上手すぎて別人級⁉岸本拓郎の顔、表情変化まとめ全話
なんとも頼りなく、弱くて優しくて、空気の読めないお金持ちのボンボンだった彼は、1話から回を重ねていくごとに、大きな変貌を遂げています。
それはこのエルピスというドラマの内容や、脚本での見せ方にもあるとは思うのですが、1話からもはや別人だと思われるほどの変化を表現することは、容易にできることではありません。
実際、大きな変化を遂げたこのエルピスでの出演で、眞栄田郷敦の演技力の凄さは大きな話題になっています。
主役級の岸本拓郎の成長と変化に多くの人が驚きを見せたドラマ「エルピス」。
「エルピス」で話題になった眞栄田郷敦さんの演技力の高さは、これからたくさんの作品で注目されるはずです。