2023年3月10日に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日韓戦。
日本代表の日系メジャーリーガー・ヌートバー選手が、バッティングでも、守備のダイビングキャッチでチームのピンチを救うなど、大活躍!
日本中がその姿に熱狂しましたね。
その試合中、ヌートバー選手が韓国投手から背中にデッドボール(死球)を受けるシーンもありました。
韓国投手を睨みつけたヌートバー選手になぜか批判が集まっているということで、批判が集まった経緯と、ヌートバー選手が睨みつけるに至った理由や、それがもたらした効果についてまとめました。
なぜヌートバーが批判されているのか?
WBC日本代表として大活躍中のヌートバー選手。
2023年3月10日日韓戦では、バッティングでも功績を残し、守備でもスライディングキャッチを決めるなど、日本の勝利に大いに貢献する活躍を見せてくれました。
ヒーローインタビューはやはり、ヌートバー選手でしたね。
しかし翌日3月11日、twitterを覗いてみると、なぜか「ヌートバー批判」という言葉がトレンド入りに。
これには多くの人がなぜヌートバーが批判されなければならないのか、意味不明というコメントが殺到!
一体ヌートバー選手の何が、誰に批判されたというのでしょうか…
ヌートバー批判は朴賛浩(パク・チャンホ)の個人の意見
問題のきっかけになったのは、日韓戦の6回で起きた韓国のキム・ユンシク投手が投げたボールが、ヌートバー選手の背中に当たり、死球を受けたヌートバー選手がキム投手を睨みつけた際にあった実況コメントでした。
「キム・ユンシク投手はわざと当てたわけではない。そんなふうに見てはいけない。メジャーリーグまで行った選手が、あんな姿を見せてはいけない」
10日行われたWBCの日韓戦で、韓国KBS中継の解説者を務めたメジャー通算124勝の朴賛浩(パク・チャンホ)氏が、そう語ったというのです。
実際、韓国メディア「OSEN」がその一言を記事にし、さらにその報道を日本メディアの「東スポWEB」が報じました。
その報道はあたかも、韓国のすべての世論が「ヌートバーを批判している」かのような雰囲気でしたが、メジャー経験のあるパク・チャンホ氏が個人的な意見を述べたまでで、実際にはそうではありません。
どちらかといえば、韓国もほかの国のメディアもヌートバーのプレーと活躍にスポットライトを浴びせるメディアがほとんどです。
詳細を知った方からは、わざわざこんな一個人の批判を大々的に取り上げるのでは…という意見も。
韓国からヌートバーが批判を受けているとしった方たちからは、こんな声も…。
批判するのは、おかしい!むしろ当てたことを謝罪するべきでは?という声が多く寄せられました。
ヌートバーの韓国投手への睨みつけがもたらした効果とは?
ではなぜヌートバー選手は韓国投手を睨みつけたのか、その睨みつけは、どんな効果をもたらしたのでしょうか。
故意四球への牽制
死球そのものへの苛立ちに加え、故意死球への牽制という意味はあったのではないかと考えられます。
韓国といえばWBC前に大谷翔平選手への「故意死球宣言」が大きな問題になりましたよね。
コ・ウソクは今年1月、韓国メディアから「日本の大谷翔平にどう挑むのか?」と問われると、
「大谷とは真っ向勝負がしたい。でも投げる場所がなければ、痛くないようにぶつけようかな」と冗談交じりに発言
これが故意死球発言として物議を醸し炎上。
後に釈明する騒動にもなっていました。
また背中のような分かりやすい死球、メジャーリーグにおいても故意と認識されることがおおいんだとか…。
ボールをあてたのは、発言をしたコ・ウソク投手ではありませんでしたが、故意による死球と捕らえられても仕方ないものだったからかもしれませんね。
デッドボールで謝らなかったから
ヌートバー選手が韓国投手を睨みつけたのは、投手選手が謝らなかったから。という方や、批判する前に謝れ!という声が多くありました。
日本野球において、死球を与えた場合、投手が帽子を取るか、もしくは帽子のつばに手をやるなどして、打者に対して謝罪の意を表する光景をよく目にします。
私達日本人からすればそれが、普通の光景のように思われるかもしれませんが、実は外国やメジャーにおいては、帽子を取って謝ることのほうが異例です。
海外において、「帽子を取って謝る」ということは、そのデッドボールをわざと意図的に投げたことを認めることになるんだとか…
実際、2023年3月のMLBオープン戦で、マリナーズ菊池雄星(28)がロイヤルズのブレット・フィリップス外野手の頭部に死球を与え、脱帽したことが話題になりました。
「これは単純なことで、故意に当てたものではないので謝罪しないのです。メジャーでは、デッドボールを与えた投手が謝るということは、故意に当てたものと受け取られます。当然、投手は意図的にぶつけたわけではないので、謝る必要はありません。脱帽に関していえば、そもそもメジャーでは帽子を取って謝るという習慣はありませんので、メジャー経験者が来日して初めてその意味を理解するというケースもあります」
Jcastニュースより
日本と外国では認識が異なることを加味すれば、韓国投手がヌト−バー選手に謝罪の意を表さなかったのは、別に悪いことでもなんでもないということが分かっていただけるんじゃないかなと思います。
ヌートバーの睨みつけは確実に相手投手の心理を揺さぶった
日韓戦で6回に韓国投手のキム・ユンシクの2球目がヌートバーの背中の左肩付近に激突。
死球を受けたヌートバー選手が直後にバットを投げ捨て、相手投手をにらみつける姿は確実に相手投手の心を揺さぶったことでしょう。
あの温厚で、優しい笑顔が印象的なヌートバー選手が怒りをあらわにする姿は、多くの人の印象に残りました。
メジャーリーグにおいても、死球を受けた際に怒りをあらわにすることは、チームの鼓舞にもつながるんだそう。
ヌートバー選手は意図的に相手を挑発し(にらみつけ)、初めて国際大会に出場したキム・ユンシクの心理を揺さぶりました。
平常心を失ったキム・ユンシクは結局、近藤健介を押し出し四球で崩れ去り、その後も日本の得点獲得を止めることはできませんでした。
ヌートバー選手の本心は分かりませんが、あの死球で試合の流れや雰囲気が変わったのは確か。
批判があったヌートバー選手への死球でしたが、試合後のヒーローインタビューで、死球に対し、このように語っていました。
「凝っていたところにぶつかって、ちょうどよかった」
と冗談交じりに笑顔で答え、スタンドを沸かせました。
こちらは痛そう、大丈夫…?ととても心配になったシーンでしたが、ヌートバー選手のユーモアや、懐の深さがよくわかりますね。
ますますファンが増えそう…
今後のヌートバー選手の活躍も楽しみです!!
頑張れ、日本!!